電子レンジに延長コードは使える？｜使い方・アース付き延長コードも

忙しい現代人にとっては欠かせない調理家電の電子レンジ・オーブンレンジ・トースター。それらをキッチンで使うにはコンセントが必要で、キッチンの近くにコンセントがないために延長コードを使いたい方も多いです。

特に電子レンジは消費電力が大きい家電の1つで、ほとんどのメーカーが延長コードの使用は避けるべきと警鐘を鳴らしています。とはいえ、コンセントから離れた位置にしか設置できない人は困ってしまいます。

そこで今回は、電子レンジの延長コードの使い方や延長コードに関する疑問や解決策を解説します。また、電源タップ付きやアース付き延長コードについても解説しています。一口コンセント・アース付きのおすすめ延長コード7選も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

最初に、なぜ延長コードで電子レンジを使うのを避けるべきと言われているのかを紹介します。絶対に駄目なわけではありませんが、使い方を間違えると思わぬ事故につながるため、しっかりと覚えておきましょう。

電子レンジはキッチンで使われる場合が多いと思いですが、他にも炊飯器やトースターなどがある場合は意識が必要です。キッチン家電は基本的に高ワットで、消費電力が大きいものが多く、それらを1つの延長コードで繋いで使うとあっと思う間に定格電流を超えるのです。

電子レンジ・オーブントースター・電気ケトル・炊飯器など一般家庭で使われる家電製品の家電の取扱説明書には「定格15A以上のコンセントを単独で使う」と書かれています。15A以上のコンセントとは家の壁にある、2つ口がついたスタンダードなコンセントを指します。

これらのコンセントには使える電力の量が決まっていて、上限は1500Wです。使える電力を調べる計算式は、電流×電圧です。つまり、一般的なコンセント15Aに一般家庭に供給されている電圧の100Vで15A×100Vで電力は1500Wとなります。家庭で使用する家電製品の消費電力を以下の表で見ると、1つしか使えないことがわかります。

コンセントが届かないから延長コードを使って対応するのもありですが、設置場所を変えてみたり、レンジ台を使ってみたりするなど延長コードに頼らない工夫も検討してみましょう。

家庭用のコンセントは1500Wの定格容量を設けられており、1度に使える電力量が限られています。電子レンジはほとんどの製品が1000W～1300Wと消費電力が高いので、延長コードを使うと定格容量を超えやすいのが第一の理由です。

定格容量を超えて使い続けると、延長コードの中のケーブルが燃えて火災の原因になる場合があります。

一番確実なのは差込口が1つだけの一口コンセントを使う場合です。複数の差込口があると、炊飯器や冷蔵庫といった他の家電もつい挿したくなってしまい、気付いたら定格容量を超えていた場合もあるかもしれません。

しかし、差込口が1つしかないのなら、他の家電と併用する場合がなくなるため、定格容量を超えるパターンがありません。一口コンセントを使う際は、その延長コードが何Wまで対応しているか、電子レンジの消費電力は何Wなのかを確認しておきます。

さらに、ブレーカーの上限もチェックしておきます。ブレーカーはキッチンや洗面所＋浴室などグループ分けされています。各グループには電気が使える上限が定められています。上限を超えるとブレーカーが落ちる仕組みです。1つの回路の家庭によって異なりますが上限はだいたい2000W以上ですので、超えないようにしてください。

「延長コードを使用しつつも、安全に配慮したい」という方もいますよね。そんな方には、アース付き延長コードがおすすめです。アース付き延長コードなら万が一トラブルが起きても、火事などにならずに済みます。

アース付き延長コードであれば、アースが電流を地面に放電するため、人間が感電する心配がありません。また、電源タップ付きならば、普段使わない際は、ボタン1つで電気を切れるため、その都度の抜き差しも不要になります。

家電の種類が増え、家庭用のコンセントの数が足りなくなり延長コードや電源タップを使用する方が増えてきました。その結果、火災などの事故が増えたため2012年に電気用品安全法が改正され、それ以降に製造された製品は品質や安全のチェックが厳しくなりました。

現在販売されているものは厳しいチェックを通過したもので、以前のものに比べて信頼性が高まっています。確認方法は「PSE」マークがあるかどうかで、マークがないものは選ばないようにしましょう。

延長コードを新しいものに変える、一口コンセントを使うようにするだけでもリスクは軽減できますが、意識するべきなのはそれだけではありません。延長コードをどのように設置するかも重要です。以下にしてはいけないルールをまとめておきますので、使う際は意識してください。

• 足に引っかかる場所には設置しない
• ほこりが溜まるような場所には置かない
• 塩気や油蒸気が多い場所では使わない
• 水がかかる場所や湿度の高い場所では使わない
• 延長コードを釘や針金などで固定しない
• 延長コードをねじれた状態や束ねた状態で使わない
• 延長コードの上に重いものを置かない
• 延長コードを扉で挟んだりしない

基本的に家電を安全に使うためには取扱説明書を読んで、定期的に点検・メンテナンスするのが大切です。取扱説明書には正しい使い方やお手入れ方法が詳しく記載されています。取扱説明書通りにすれば、事故やケガのリスクは大幅に軽減できます。コンセントの掃除方法や点検方法も書かれているため、定期的に実行してください。

もし電子レンジのアース線が壁まで届かなかった時は、付属のアース線を外しホームセンターなどで希望の長さのアース線を購入して交換しましょう。ほとんどの場合、ネジで固定されているだけなので、簡単に交換できます。

また電子工作が得意な方なら、延長用のアース線を購入しもともと付いているアース線と結合して延長させるのも可能です。

電子レンジを延長コードで使う時の意識すべき点を紹介しました。電子レンジの電源が取れない時は延長ケーブルを使うのが手っ取り早いですが、できるなら避けたほうが良さそうです。延長コードに手を伸ばす前に、配置換えやレンジ台の使用などで対応できないか確認してみてください。