電子レンジはアースなしでも大丈夫？｜つける場所がない場合の対処法などを解説

家電の漏電を防ぐアース線は、電子レンジを安全に扱ううえで欠かせないものです。しかし、「アース端子付きコンセントがなく、つける場所がない」場合、アースなしで電子レンジを使っている方も多く、「アース線ってなくてもいいのでは？」と思われがちです。

電子レンジやオーブンレンジを使う際に、アース線は本当に必要か気になりますよね。そこで今回は、知恵袋でもよくみられるアースに関する質問について、電子レンジ利用者の本音や有名メーカーの回答を元に解説します。

また、アース線の取り付け方や外し方・アース線の代用品・賃貸でアース線をつけない場合はそのまま使っても大丈夫か・アース線を床に垂らす場合はどうかといった点についても触れますので、ぜひ最後までご覧ください。

アース線とは電源プラグの脇から伸びている緑色・黄色のコードです。電化製品から漏電した電気を地面に逃がす役割があり、利用者を感電から防ぎます。特に水回りで使う電化製品だとアース線がついている場合が多く、中にはアースの接続が必須のものもあります。

またアース線は電圧のセーブも可能です。電化製品に過度な電圧が掛かると故障の原因になりますが、アース線をつけていればそれを防げるのです。ただし電磁波はアース線では抑制できません。なぜなら電場と地場からなる電磁波のうち、アース線が抑えられるのは電場だけだからです。

電子レンジの電磁波を防ぐには、電磁波カットフィルムを使用する対応が必要になります。電子レンジから出る電磁波が気になる方は以下の記事も参考にしてください。

アース線の役割

• 漏電が起きた時に感電の危険性を下げる
• 雷の衝撃から家電を守る
• Wi-Fiや他の家電への干渉を抑える

知らない方も多いかも知れませんが、家電の感電対策は法律で定められています。そのため、漏電を防止するためアースの取り付けが義務化されているのです。アースを繋がないで使える、いわゆるコンセント部分にアースがついていない状態で販売されているものは、アース内蔵になっているか絶縁対策がされています。

日立はアース線は必須ではないと回答を出しています。ただし、「一般的な台所で家電を使うなら、万が一の漏電や感電に備えてアース線を用意した方がいい」と補足しています。

特に、調理場や洗い場などの水気のある場所や、地下室のようなの湿気が多い所では必ずアース線を使うべきです。

シャープは「アース線は必ず取り付けるべき」との回答を出しています。家電の故障や漏電の際に、感電する原因になるのが理由です。

コンセントにアースがない場合の対処法としては、業者に工事の依頼をする方法があります。壁のコンセント交換は電気工事士の免許がいるので、持ち家に住んでいても自分では付け替えられません。

アース線をつける場所がない賃貸物件で電子レンジを使う場合は、アースなしが前提です。不安な方は、大家さんや管理会社に相談しましょう。ちなみに水道管・ガス管・電話用のアース・避雷針につなぐのは、感電・引火のリスクがあるため厳禁です。

アース線が短くて電子レンジに届かないなら、今使っているアース線を外し、新たに長いアース線を取り付けましょう。以下で取付方法を解説します。

1. 電子レンジの電源コードを必ずコンセントから抜く
2. 新しいアース線を電子レンジに取り付ける
3. コンセントに取り付ける反対側のアース線の先端のカバーを2～3cm切り取る(中の銅線が見えるように)
4. コンセントのアース端子カバーを開き、ドライバーでネジを緩めてアース線を外す
5. 新しいアース線をアース端子部分に差し込む(銅線がバラバラにならないように注意)

2つのアース線をつないで延長する方法もありますが、素人が行うには危険です。どうしても延長したい場合はプロに依頼してください。

アース線を長く使っていると、銅線がむき出しになる場合があります。見た目には危険な感じがしますが、むき出しになっていても特に問題はありません。アース線は普段電気が流れないので感電の心配がないからです。しかし、気になる場合はアース線を買い換えるのをおすすめします。

知恵袋を見ていると「アース線を床に垂らすのは大丈夫なのか」といった不安の声があります。アース線は床に垂らした状態にしておいても特に問題はありません。

しかし、垂らしたままだと、見栄えが悪く感じられる場合や足を引っ掛けてしまう恐れもあるので、気になる方はアース線をまとるか、床や天井に這わせて固定するのをおすすめします。

アース線の取り付けが面倒・不安な方には、代用として「プラグ型漏電遮断器(ビリビリガード)」がおすすめです。プラグ型漏電遮断器とは、漏洩を検知した場合にただちに電源を切ってくれる漏電防止アイテムです。

コンセント口に差し込むだけで簡単に使えるので、コンセントにアース線をつける場所がない賃貸物件で重宝します。

電子レンジのアースを取り付ける前に、感電の原因になるのでコンセントを抜いておきましょう。アース線の取り付け方についてですが、ネジ式とワンタッチ式の2つで違いがあります。ネジ式は以下のように取り付けましょう。

1. アースの芯線を傷つけないように先端の皮を剥く
2. アース端子のカバーを開ける
3. 開けた所にあるネジを緩め、ネジ部分に芯線を巻き付ける
4. ドライバーでネジを締め、カバーを閉めて終了

ワンタッチ式は以下のように取り付けます。

1. アース線の先端を外す
2. アース端子のレバーを押し上げ、アース線を差し込む
3. レバーを戻して終了

ネジ式に比べてワンタッチ式の方が簡単ですね。

また、アースの接続口が1か所しかない場合は、そこにアース線を複数接続しても問題ありません。

引っ越しやアース線の交換などで、アース線を外さなければいけない場合もあります。取り付け時と同様、コンセントを抜いてから作業しないと感電する場合があるので気をつけましょう。

コンセント側のアースの外し方は、ネジ式端子とワンタッチ式端子でそれぞれ方法が異なります。家のコンセントの端子を確認し、正しい方法で外すようにしましょう。

ネジ式端子のアースは、以下のように外します。

1. アース端子のカバーをドライバーで開ける
2. カバーの奥にあるネジをドライバーで緩める
3. アース線を取り外し、カバーを閉める

アース端子のカバーは爪でも開けられます。

ワンタッチ式端子のアースは、以下のように外します。

1. アース端子のカバーをドライバーで開ける
2. 黒いボタンを押しながらアース線を引き抜く
3. カバーを閉める

ネジ式端子と比べて簡単にアースを取り外せます。

電子レンジ側のアースは、以下のように取り外します。

1. 電子レンジのアース線付近のネジをドライバーで緩める
2. アース線を取り外す
3. ネジを締め直す

コンセント側の外し方と比較すると、かなり簡単にアースを外せます。

アース線なしで電子レンジを使っている方は多くいます。ただし、万が一の感電のリスクを考えるとないよりはあった方がいいのも確かです。安全に電子レンジを使いたい方は、アース線ありで電子レンジを利用するのが得策です。