電子レンジでの食品の温めにラップをよく使いますね。肉まんなどしっとり柔らかく仕上げたい食品にはラップが必須ですが、食品によってはラップが要らないものもあります。ラップが必要かどうか迷った経験がある方は多いですよね。

たとえラップ不要の食品でも、サランラップなどをかけておくと食品が飛び散りません。そのため、庫内掃除が楽になるのも事実です。しかし、ラップは1度食品の温めに使ったらもう捨てるしかないので、もったいないと感じる場合もあります。

電子レンジでラップが必要な食品・不要な食品はどうやって見分けるのか、この記事では電子レンジでラップが必要なメニュー・不要なメニューを紹介します。また、ラップの代用品や、ラップが溶ける・爆発するといった事態が起こらないよう適切な使い方についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

食品を電子レンジにかける際、ラップが必要なものとラップが必要のないものがあります。ラップが必要な理由や必要な食品、不必要な食品を具体的に見ていきます。

電子レンジで食品を温めるのに、ラップをかける理由は4つあります。その内容は以下の通りです。

• 食品の水分や風味を奪われないようにする
• 食品の飛び散りを防ぐ
• 臭い移りを防ぐ
• 加熱効率を上げる（短時間で温める）

ラップが要る・要らないは、その食品から水分を飛ばしたいか・飛ばしたくないかで判断します。飛ばしたくない（しっとりさせたい）場合はラップをかけて、飛ばしたい（パリッとさせたい）場合はラップをかけません。

電子レンジでの温めにラップが必須の食品は、油の多い食品・とろみのある食品・水蒸気を生かして調理する食品の3つです。その食品の例を一覧表にします。

とろみのある食品は、水のようにスムーズな対流を起こせません。もし、ラップをかけずに電子レンジで温めると、食品の中で発生した水蒸気が逃げられずに爆発し、庫内に食材が飛び散ります。

基本的に液体の食品・水分を飛ばしたい食品にはラップをかけません。実はこれ以外にもラップが要らない食品はたくさんあります。下の表を参考にしてください。

乾燥が強い食品は、少し水をかけてから温めると上手に仕上がります。揚げ物の温めなおしは電子レンジでも可能ですが、より美味しい仕上がりを考えるとトースターやオーブンの方がおすすめです。

水分を飛ばしたい食品やラップが不要の食品であっても油はねを防ぎたい場合は、ラップをするのがおすすめです。揚げ物やソースがかかった食品は油や汁がはねる場合があるため、ラップをすると電子レンジの庫内を汚すのを防止できます。

電子レンジで温める食品・容器にラップをかけるときは、ふんわりと密閉しないようにかけるのが最大のポイントです。隙間がなくなってしまうと、食品から発生した水蒸気の逃げ道がなくなります。水蒸気は電子レンジでの温めを妨げる原因の1つです。

また、水蒸気は圧力が高いので、密閉してしまうとラップが破裂する恐れがあります。破裂しなかった場合でも、ラップを外したときに高温の水蒸気が噴き出して火傷をする恐れがあるので非常に危険です。さらに、油分の多い食品を温めると温度が上がり過ぎてラップが溶けてしまうケースがあります。ラップが溶けないようにするポイントは以下となります。

• 容器は深めのものを使用する
• ラップはゆるめにかける
• 高温に強いラップを使用する

ラップの素材はポリ塩化ビニリデンとポリエチレンの2種類あり、ポリ塩化ビニリデンの方が耐熱温度がやや高めです。価格は少し高くなりますが脂分の多い食品の場合は、ポリ塩化ビニリデンのラップを使うのをおすすめします。

電子レンジやオーブンで使ったラップは、使い回しできません。これをもったいないと感じるなら、繰り返し使えるラップの代用品・商品を活用しましょう。ラップ代わりに使えるものは、以下の通りです。

• シリコンラップ
• 耐熱皿
• タッパー
• お弁当箱

シリコンラップは100円ショップでも売っている場合があります。いずれの代用品についても、電子レンジ対応である点を確認してから使ってください。

容器にラップをかける際は、ぴったりと密着させずにふんわりと乗せるくらいがおすすめです。しっかりラップをかけたいのであれば、かけた後に爪ようじで数カ所穴を開け空気の逃げ道を作りましょう。とくに、ゆで卵・イカ・タラコ・皮付きの魚や鶏肉を温めるときは爆発しやすいので、気を付けてください。タラコは皮にも穴を開けておくのがおすすめです。

サランラップやクレラップなどのラップにも耐熱温度があり、電子レンジでも加熱しすぎると溶けるので気を付けましょう。しかし、ラップは溶けても人体には無害です。万が一、気付かずに溶けたラップが多少付いた食べ物を食べてしまっても、吸収されず自然に排泄されるので安心してください。

なお、ラップが有害物質を出すのは、燃えたときです。ラップは塩化ビニルでできており、燃えるとダイオキシンを発生させます。

また、ラップを電子レンジに直置き、または敷くと溶ける可能性があるため別の場所に置くようにしましょう。

破裂・爆発するのが怖い、または、ラップを切らしているといった理由で、アルミホイルを使うのは絶対にやめましょう。電子レンジに使用されるマイクロ波（電磁波）は、食品に含まれる水分を振動させ熱を発生する仕組みです。

アルミホイルはアルミニウム（金属）を薄く伸ばしたものですので、シワができ尖った部分にマイクロ波が当たると火花が飛び発火の恐れがあります。アルミニウム以外にも、金属食器や金属装飾が施されたものも使わないよう気を付けてください。

スチーム機能付きの電子レンジであれば、ラップが必要な食品もラップなしで温められます。ラップありだと2分のところ、スチーム機能だと10分かかるので調理時間は少し長くなりますが、しっとり・ふんわり仕上がる点は変わりません。

スチーム機能付きの電子レンジ（オーブンレンジ）は多機能なだけにどうしても高額ですが、頻繁にラップを使って温めをする方は購入を検討するのもおすすめです。

溶けたラップを掃除する際は、重曹が役立ちます。重曹をお湯で溶いてよく混ぜ、ラップが溶けて付着している箇所に貼りつけましょう。しばらく時間を置いて拭き取ればきれいに掃除できます。ラップの掃除に困っている方は試してみてください。

また、重曹以外にもバターを使った掃除方法などもあります。電子レンジで温めて少々溶かしたバターをラップ部分に塗っていきましょう。塗った後に5～10分ほど温め、電子レンジが冷めるまで放置します。固形になったバターを剥がして濡れた雑巾と乾いた雑巾で拭けば落ちます。

どの食品の温めにラップが必要かは、電子レンジの説明書に載っています。迷ったらすぐに説明書を開く習慣をつけるのもいい方法です。ラップの使い捨てがもったいないと思う場合は、紹介したようなラップの代用品もあります。適宜使い分けて毎日おいしい食事を楽しみましょう。